半導体需要の急拡大で、世界的な半導体不足
5GスマートフォンやPC、サーバー需要が大幅に伸び、半導体需要が急拡大したことにより、世界的に半導体が不足しています。
2021年4月15日、台湾の半導体受託生産大手TSMCの2021年第1四半期(2021年1~3月)決算発表がありましたが、前期に引き続き市場予想を上回って過去最高となり、営業利益は前年比約+17%上昇しました。
TSMCのCEOの話では、世界的な半導体の不足は2022年まで続く可能性があり、2021年は昨年より20億ドル増の300億ドルの設備投資に上方修正すると発表しています。
半導体産業とは大きく分けて3つの分業で成立しています。1つは半導体を設計・開発する企業、半導体を作る企業、半導体製造装置を作る企業です。
このTSMCは半導体を作ることに特化した企業です。半導体企業のうち、設計・開発に特化する企業が「ファブレスメーカー」と呼ばれますが、TSMCはそうしたファブレスメーカーの多くから製造を受託しています。例えばアップルのiPhoneに入っている半導体チップもTSMCが製造しています。
半導体製造業は多額の設備投資が必要で、参入障壁が非常に高いため、寡占化が進んでおり、サムスン電子(韓国)、TSMC(台湾)、マイクロン(アメリカ)、SKハイニックス(韓国)、キオクシア/ウェスタンデジタル連合(日本/アメリカ)の5社が全世界シェアの54%を占めています(2020年12月現在)。
さらに、アメリカのバイデン大統領も、半導体の製造・研究に500億ドル(日本円で5兆4000億円)の予算を閉じると表明しており、アメリカ国内では党を超えての支持が集まっています。
半導体関連ETF:SMHとSOXX
このように好調な半導体産業ですが、個別株に投資をせずとも、半導体市場全体に投資できるETFがあります。
本記事では、有名な半導体ETFとして、SMHとSOXXを紹介します。
SMHについて
SMHは正式名称を「ヴァンエック ベクトル半導体ETF(VanEck Vectors Semiconductor ETF)」といい、米国で上場している半導体企業最大手25社の全体的なパフォーマンスを追跡することを目的とした「MVIS米国上場半導体25インデックス」に連動する投資成果を目指すETFです。
SMHの基本情報
SMHの基本情報は以下の通りです。
SMHの最新チャート
SMHの組入れ上位銘柄
SOXXについて
SOXXの正式名称は「iシェアーズPHLXセミコンダクターETF(iShares PHLX Semiconductor ETF)」で、半導体の設計製造流通販売を行う30社で構成されている「PHLXセミコンダクター・セクター指数」に連動する投資成果を目指すETFになります。
SOXXの基本情報
SOXXの基本情報は以下の通りです。
SOXXの最新チャート
SOXXの組入れ上位銘柄
半導体株ETF、SMHとSOXXのどちらが良いの?
この2つのETFは構成銘柄や比率は異なっているのですが、値動きは似ています。SMHがTSMCの比率が多いかな程度の違いしかないです。実際に、年率のトータルリターンを比較すると、どちらも変わりません。
1年 | 3年 | 5年 | |
SMH | 94.28% | 36.16% | 37.49% |
SOXX | 94.23% | 36.43% | 38.71% |
5年の年率トータルリターンが38%というのは、ちょうど5年で資産が5倍になる(1.38の5乗はちょうど5.00になります)ペースです。
今後も、コロナ禍をきっかけとしたニューノーマルの流れ、ソサイエティ5.0の流れは止まらないと思いますので、私は引き続き、半導体セクターのポートフォリオは増やしていくのが良いのではないかと考えています。
SMHとSOXXを購入するには?
どちらの銘柄でも良いのですが、実はSOXXは国内の証券会社では取り扱いがありません。
ですので、日本の証券会社で買うなら、SMHになります。大手証券会社だと、SBI証券、マネックス証券、楽天証券で取り扱っています。これらのネット証券は取り扱い銘柄数も多く、手数料も格安なのでどれを選んでも間違いはないでしょう。
証券会社 | 米国株 取扱数 | 手数料 | 公式サイト |
口座開設数国内No.1 | 4,008銘柄 | 約定金額の 0.45%(※) | 口座開設 |
米国ETFなら買付手数料実質無料 | 3,635銘柄 | 約定金額の 0.45%(※) | 口座開設 |
米国株取引で最大30,000円キャッシュバック | 4,004銘柄 | 約定金額の 0.45%(※) | 口座開設 |
※各社最低手数料は0ドル、上限手数料は20ドル (税抜) ・2020年10月26日現在
もしどうしても、SOXXを購入したい!という場合は、CFD取引にはなりますが、サクソバンク証券で取り扱っています。
ちなみに、SOXXの3倍レバレッジETF「SOXL」は国内の証券会社でも取り扱っていて、購入することができます。私はこちらを買っています。
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