NYダウや日経平均株価が高値圏で推移しているので、投資を始めてみようという方も多いかと思います。
投資の世界でよく言われる格言として「卵は一つのかごに盛るな」というものがあります。全ての卵が盛られた大きなカゴを落としてしまったら、全ての卵を失ってしまいますが、小さなカゴに分散しておければ、一つのカゴを落としてしまっても他のカゴは守られるので被害は最小限に抑えられるということです。
2020年はブラックスワンの1年でした
新型コロナウイルス感染拡大により、日本でも緊急事態宣言が出され、世界中の株価が大暴落してから、はや1年経ちました。
長らくヨーロッパでは、白鳥は白い鳥だけと思われていましたが、17世紀にオーストラリアで黒い白鳥(ブラックスワン/コクチョウ)が発見されました。それ以来、「あり得なくて起こり得ない」ことを「ブラックスワン」に例えます。
2020年の1年間は、まさにこの「ブラックスワン」でした。東京オリンピックの開催で、外国から日本への観光客が増加すると誰もが思っていたなか、外国人観光客が99%減になるなんて、誰が想像したでしょうか。
果たして、今年はどうなるでしょうか。ワクチン接種率が上がってきて、経済も回復傾向だと予想されています。リターンは狙いたいものの、リスクを取り過ぎると市場の予期せぬ動きで致命傷を負って退場しかねません。
とりわけ金融危機と自然災害は予測できないものなので、想定外のことが起こって強制的に退場させられることのないように、リスク管理はしっかりして、危機に備えておくことが必要です。
分散投資の大切さ
リスクに対応できる体制を取って備えることを「リスクヘッジ」、もしくは単に「ヘッジ」といいます。
リスクヘッジに最も大切なことは分散投資です。分散投資の方法にはいくつかあります。以下で紹介していきます。
銘柄や資産を分散する
例えば、株式投資を行う際、1つの投資先にのみ投資してしまうと、株価が下がったとき、その分だけ損が生まれてしまいます。株価が上がれば利益も生まれますが、反面リスクも高いということです。複数の投資先に投資することで、同じ投資資金をつぎ込んだとしても、資産価値が下がるところもあれば、上がるところもあるので、大きな損をするリスクを軽減することができます。
ですので、1銘柄だけでなく、複数の銘柄に分散することが重要です。また株式だけでなく、債券やREIT、金など値動きの異なる資産に分散して投資することで、リスクを減らすことが期待できます。
また投資先も、日本だけではなく、米国や新興国、全世界の株式にも投資するなどでリスク分散が図れます。
通貨を分散する
円建ての資産だけでなく、例えばドル建ての資産も保有しておくなど、1つの通貨、国だけで運用せず、様々な国の通貨に投資することでリスクを減らすことが期待できます。
また、通貨の中でも安全資産と呼ばれる「円」はリスク回避で買われやすい傾向にあるので、FXにおいては円に対して買いポジションだけでなく、売りポジションも持っておくなどが大切です。
時間を分散する
一度にすべての資金を投資せず、長期間にわたり、何度かにタイミングを分けて投資することでリスクを減らすことができます。
時間分散の一例として、「ドルコスト平均法」があります。これは例えば毎月一定額の金融資産を購入するという方法です。金融資産が安いときには多く購入でき、安いときには少ししか購入しないため、毎月一定量の金融資産を購入する方法に比べて、平均して低コストで金融資産を購入することが可能になります。
現金資産も持っておく
ある程度の現金を持っておくことも大切です。
もちろん、現金余力が多すぎると実効的な運用効率が下がってしまいますが、心穏やかに安心して長期的運用を行うためには(1)絶好の仕込みタイミングに備えるため、(2)資産を守るための遊軍としての役割のため、という2つの理由から、ある程度の現金余力を持っておくことは必須だと思います。
絶好の仕込み時に備えた手元資金の確保
資産運用において、歴史的な大暴落はピンチですが、逆に絶好の仕込みのチャンスでもあります。こういうときに余力がないと、せっかくのチャンスを活かし切れません。
ですので、チャイナショックやコロナショックなどの暴落時にきっちり仕込むための余裕資金として、運用資産の1割くらいは現金で持っておくのが良いかと思います。
複数口座で運用する資産を守るための遊軍としての役割
例えば、FXでいろいろな外貨を運用している場合、何年かに一度位の頻度で、証拠金維持率が急低下することがあります。その際にタイムリーに入金できれば、ロスカットで強制退場させられる恐怖におびえて、一晩中寝られなかったということはなくなります。
すべてのFX口座に、現金を潤沢に入れておいたり、もしくはポジションを小さめにして運用する方法でも良いのですが、どうしても資金効率が悪くなってしまいます。
ですので、リスクが高くなった口座にだけ、一時的にお助け入金し、リスクが下がれば、銀行口座に戻して、次の危機に備えておくということを行っています。もちろん、普段からのポートフォリオ(資産配分)管理をしっかりやって、全ての口座が同時にピンチになるようなことがないということが前提です。
ちなみに私は、FXでは、普段は証拠金維持率500%(レバレッジ5倍)程度で運用しており、証拠金維持率300%以下(レバレッジ約8.3倍以上)をになるとリスクが増していると判断しています。
まとめ
本記事では、リスクヘッジのための分散投資と現金余力管理の重要性について、簡単にお話しました。
私自身も、複数の口座で資産運用を行っていますが、リスクにおびえて頭の中が投資でイッパイになってしまわないよう、分散投資と現金余力管理を常に意識しています。
また、なるべく色々なリスクについて歴史も含めて勉強し、過去にどんなブラックスワンがあったのかを知っておくことは非常に大切です。今年のコロナ禍で世界の「当たりまえ」が大きく変わったように、今後も想定外のことは起こり続けるでしょう。そのようななかでも投資続けていくことは必要です。リスクを取らなければリターンもありませんが、高いリスクを取り過ぎると致命傷を負うことになります。
リターンは狙いつつも、決して退場させられることがないよう、リスクヘッジはしっかりしておきましょう。
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