「お金には詳しくないからプロに任せる」とは、よく聞かれる言葉ですが、わたし個人的にはぞっとします。
金融のプロといえば、銀行や証券会社の社員ですが、彼ら任せれば本当に安心なのでしょうか?答えはNOです。
金融機関が投資商品を扱うビジネスモデル
銀行や証券会社の社員に、皆さんの資金運用を任せるなということでしたが、お金のプロ達は、一体どうやって儲けているのでしょうか。
世の中で、リスクのある困難なミッションを任せられたときの報酬のシステムの多くは「着手金+成功報酬」です。当然、ミッションを達成出来なければ意味が無いので「着手金」よりも「成功報酬」が圧倒的に高額になっています。ミッション・インポッシブルのイーサン・ハントもしかり、企業における人材のヘッドハンティングでも良い人を採用出来てなんぼの世界ですよね。
しかしながら、投資の世界はどうなっているかというと、不思議なことに「成功報酬」というのは、あまり一般的ではなく、多くは、個別株や投資信託を購入する際の「購入手数料」、および、投資信託なら運用金額の一定割合を支払う(天引きされる)「信託報酬」という形になっています。
つまり、あなたの投資が成功しようが失敗しようが「手数料」はいただきますね~!ということです。金融機関はリスクを取らなくても良い素晴らしいビジネスモデルです。
窓口に相談に行くリスク
定年まで勤め上げて手にした虎の子の退職金。サラリーマンだった方の多くは、これまで数千万円もの大金を手にしたことがなので、銀行や証券会社の窓口で資産運用の相談に行くひとが多いです。
しかし、それは、資産を失うリスクの高い危険な行動で、一昔前ならともかく、今の時代には全くおすすめしない行動です。
金融機関の窓口に行くと、色々な金融商品を紹介されますが、初心者と言うと、おそらく投資信託を進められる人が多いかと思います。
先ほども書いたとおり、投資信託は、購入時にかかるイニシャルコストとしての「購入手数料」と、日々の運用で差し引かれるランニングコストとしての「信託報酬」がかかります。
皆さんが窓口に行って相談する人は、あなたのアドバイザーであるように振る舞うと思いますが、本質的には、金融商品でビジネスをしている商売人です。
もしあなたが家電量販店の店員で、お客様に相談されて電化製品を勧める時に、お客さんが求める性能をともに満足している商品Aと商品Bがあって、商品Aのほうが商品Bよりも圧倒的に粗利が高い(利益が出る)とするとどちらをすすめますか?もちろん商品Aですよね。
金融機関の窓口にいる人も、根底には同じ思考回路で、皆さんに対応してきます。
ですので、投資のことをよく勉強した上で、全く知識がないフリをして窓口に行ってみてください。
さわやかな笑顔で手数料の高いボッタクリ投資信託を紹介されるのが関の山で、例えば「投信ブロガーが選ぶ fund of the year 2020」トップテンに名を連ねているような、手数料が格安で金融機関側に全く儲けの出ない「eMAXIS Slimシリーズ」のような超優良ファンドは、まずはすすめてこないと思います、笑。
窓口に行くとわかりますが、対応してくれる方の多くは資産運用のプロではなく、営業マンでしかありません。簡単な質問をしても真正面から答えられなかったり、日々の時事ニュースをウオッチできていないなと感じる人も多いです。ですので、コンサル営業のようなものはあまり期待できません。
窓口で勧められる(口車に乗せられる)まま、購入手数料や信託報酬の高額な「売る側にとって都合の良い」粗悪な投資信託を買わされ、その投資信託の運用成績が上がらなかったとすると、今度は「新商品です!」と新しい投資信託に乗り換えをさせて、再び購入手数料を払わされるという、ビジネスモデルに乗せらてしまうのが関の山なので、現在では、店舗型の証券会社はおすすめできないというのが、実情です。
ネット証券でインデックス型の投資信託を購入するのがおすすめ
金融資産は自分の人生を左右しかねない大切なものです。私は、これを他人に丸投げしてしまうのは、他人に人生を預けるのと同じことだと考えています。
自分の資産を不用意に減らしてしまわないためには、金融商品にかかる手数料に敏感になる必要があります。
大切な資産です。きちんとお金に関する勉強して知識を身につけ、悪質な手数料ハンターから守ってあげましょう。
資産運用をする際、金融機関選びは重要な選択に選択になります。
結論から言うと、最近多く出てきているネット証券を活用するのが良いと思います。
店舗型の証券会社と比較して手数料が安く、店舗に行く手間暇もかからないのが人気の理由です。
そのような人気のネット証券ですが、数も増えてきており、証券会社によって手数料や取扱銘柄、細かなサービス内容が異なるため、どのネット証券を選ぶかということ自体が悩みになる状況です。
おすすめ ネット証券会社3選
私もこれまで多くのネット証券会社を使ってきました。
ネット証券会社にも、FX(外国為替取引)や、少額での株取引など、特定の金融商品に特化した証券会社と、総合的なネット証券会社に分けることが出来ます。
ここでは、メイン口座として利用出来る総合的な証券口座を開設するのに、おすすめできる証券会社を3つ紹介します。
楽天証券
楽天証券は以前から人気が高いネット証券会社でしたが、ここ数年で急速に口座数を伸ばしており、2020年度の口座開設数は、SBI証券を抜いてトップに立っています。
とにかく手数料が安いです。
2020年12月から、国内株式取引の手数料が、1日の取引金額(約定金額)が100万円以下なら、なんと手数料は無料になりました。
さらに、楽天証券の魅力は、Webサイトやアプリなどの取引ツールの使いやすさと充実したポイントプログラムかと思います。
「マーケットスピード」という株の取引ツールは、チャートの種類が多く、機能も充実しているので、このツールを使いたいがために、楽天証券で取引する人もいるほどです。
ポイントプログラムでは、株の売買や投資信託の積立で楽天ポイントが貯まるというもので、例えば、投資信託で毎月5万円の積立で、積立額の1%にあたる500円分の楽天ポイントがもらえます。
また、楽天銀行と口座を連携する「マネーブリッジ」サービスに申し込むことで、楽天銀行の金利がアップしたり、楽天銀行口座と楽天証券口座の自動入出金などが可能になります。
以前の記事で、楽天証券が初心者におすすめな理由、さらに楽天カードでの投資信託積立のメリットや、楽天銀行との連携で楽天証券をさらに便利に使えることを解説していますので、よろしければ参考にして下さい。
SBI証券
日本での証券口座数ナンバーワンの証券会社です。手数料も安いです。
国内株式取引では、2020年10月から「アクティブプラン」と「スタンダードプラン」いうのがスタートしましたが、「アクティブプラン」を利用することで1日の取引金額(約定金額)が100万円以下なら無料で取引できますです。
単元株(100株)あたり100万円を超える国内の株式銘柄(値がさ株と呼ばれます)は、上場している約4000銘柄のうち、ファーストリテイリングや任天堂、ニトリなどの数十銘柄だけですので、単元株を取引している程度なら、手数料無料で売買が出来ることになります。
また、投資信託の数もトップクラスで、米国株や中国株など外国株式のラインナップも充実しています。
色んなサービスのレベルが高く、バランスが取れていて非常に使いやすいネット証券会社です。
松井証券
松井証券も、株式購入手数料が1日50万円まで無料で売買できますので、投資の初心者にはおすすめのネット証券会社になります。
株主優待名人としてTV等でもおなじみの桐谷広人さんも松井証券を一押しされています。
投資信託も、SBI証券、楽天証券も今は手数料無料ですが、実は手数料を最初に無料にしたのは松井証券です。
取り扱っている銘柄は、SBI証券や楽天証券に比べると少ないのがデメリットではありますが、実は、仕組みが難しい銘柄を排除して、初心者にも分かり易い銘柄のみを厳選しているので、選びやすいという点ではメリットかもしれません。
「投信工房」と呼ばれる、無料ロボアドバイザーのサービスは、初心者にはポイントが高いです。これは、はじめに質問に答えるだけで、投資信託における、おすすめポートフォリオ(資産配分)を作成してくれるうえ、ポートフォリオが崩れた際のリバランス(再配分)など、積立を始めた後の管理までほぼ自動で行ってくれるという優れものです。これは他の証券会社で提供している有料のサービスとほとんど同じで、無料のロボアドバイザーの中ではダントツで高機能なものです。
まとめ
以上、皆さんの貴重なお金は、銀行や証券会社の窓口にいる「プロ」に任せず、自身でお金の勉強をしてネット証券で資産運用するべき理由、またおすすめのネット証券会社について解説しました。
人生を左右するかもしれない「お金」を他人の好きなようにさせるなんて、本当に危険なことです。
中島みゆきの「宙船」でも「おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな」と歌われていますし、「鬼滅の刃」でも冨岡義勇が「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」と言ってます。
頑張ってお金の知識を身につけることで、自分のお金は自分でコントロールしましょう。
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